3月の最後まで泳ぎ続けた高3生 続き

今日は暑いですね。夏バテしそうなベイマックスです。
 
先回の続きです。
 
全中に出場した竜也くんも、受験勉強に入りました。
冬場は受験の為、あまり練習が出来ませんでしたが、見事新潟市の高校に合格しました。その高校は毎年インターハイに水泳でも出場する名門校です。
 
よし、ここからまたインハイ目指して頑張ろうな!
コーチは期待を込めて話をしました。
ところが、
2年間、練習に来たり来なかったり。
 
1年生から2年生の終わりまで、三年寝太郎ではなく、二年寝太郎になってしまいました。
 
竜也くんには、やれば必ず速くなるからと、説得しても
いつもの
「どうせ俺なんか」
ちょっと燃え尽き症候群になった様です。
 
とうとう3年生のラストイヤーになりました。
 
少しづつ、練習に来るようになった竜也くん。
県大会前には中学3年生の時のように
休む事なく頑張って練習をしています。
 
とうとう、来週にも県大会という、ある日。
 
「コーチ、リレーの予選に出ることになりました。」
竜也くんは報告します。
「決勝は?」
コーチは聞きました。
「予選だけです」
竜也くんは元気なく答えました。
「そうか」
仕方ないと思いました。この2年間本当に眠っていましたから。
「でも、好タイムで泳げば決勝に出れるかもしれないから頑張れ!」
コーチは励まし、送り出しました。
 
試合当日、リレーの予選が始まります。
竜也くんはアンカーです。
 
結果は個人ベストから2秒落としました。
 
もう決勝は選ばれないな。
本人もコーチも諦めました。
 
ところが、決勝前に竜也くんがコーチの所に飛んで来ました。
 
「コーチ、決勝出れる事になりました。」
 
なんで!!
「もう、時間がないんで行きます。」
 
半信半疑のまま、竜也くんの高校の監督に聞きに行きました。
 
監督の先生は、嬉しそうに、
「後輩が、自分はいいから、竜也先輩を出してください」
とお願いされたと。
1人だけじゃないんです。みんながそう言うんです。」
後輩たちは、頑張っている竜也くんを見ていたんです。
予選を見て、後輩たちは、このまま終わらせたくない。
竜也先輩ならやってくれると願った様です。
 
これは、すごい話になって来たなあ。
これは期待に答えなきゃ。
コーチはつぶやきました。
 
結果は予選からチームで3秒アップし、表彰台は逃しましたが入賞を果たしました。
北信越大会の出場権を獲得です。
竜也くんは予選より、3秒タイムを上げベストタイムを叩き出しました。
そうです。竜也くんが頑張って速くなった分チームベストが上がって来ました。
 
「やればできる子だな、竜也」
竜也くんは泣いていました。
「いい仲間に出会えたな」
泣いていた竜也くんは、号泣に変わりました。
 
この時を境にして、考え方が変わりました。
7月に行われた北信越大会でも、更に3秒縮めて夏のシーズンを終了。
 
北信越大会の閉会式のあと、竜也くんはコーチに相談に来ました。
「コーチ、春のジュニアオリンピックを目指したい。」

【北信越高校2017 ダッシュ新津の仲間と】
 
この続きは、次回にまた。